2007.11.06 冬の終わりに
学生時代に話を戻してみたい。

ついに大学4年の冬が終わろうとしていた。

卒業が近づいてきた。サークルの後輩達と過ごすことができるのもあと数週間。もちろん親友のNや彼女ともそうだ。

私は自分の地元の大学に進学したのではなかった。

この地を後にすれば再び戻ってくることはない。そう考えるとこれまで過ごしてきた4年間の歳月がいとおしく思える。

当然私の大好きだった多くの後輩達にも、もうなかなか会えないだろうと思った(事実そうなった)。

毎日のように彼らと話をし、語り続けた。

当時は携帯電話やメールもない。インターネットなども普及していなかった。離れてしまうととてつもない距離を感じてしまう。

私は大学の卒業式には参加していない。この大学で学んだことのほとんどがサークルで後輩達が私に教えてくれたこと。

尾崎豊の歌ではないが「決して授業で教わったことなんかじゃない」。

あとはゼミの教授から直接教わった数々の教訓。

まずは私より先に親友のNがこの地を去っていった。
電車で一旦地元に帰り、就職先の会社のある場所に向かった。

駅で大勢の後輩達と共にNを見送った。

後輩の一人がボロボロと涙をこぼしながら駅のホームにたたずんでいた。別れの切なさ。

あと数日で・・・今度は自分の番だ。・・・・・・別れたくない。



2007.11.07 思い出
私は故郷へは帰らず、直接上京することにしていた。

3月の半ば。もうあたりは春の空気が漂う頃だ。

空路で東京へ向かう。三畳一間の部屋の荷物を整理していたが、ほとんどたいした荷物はなく、本ばかりで20箱近くになった。

こんな狭い部屋でよくストイックな4年間を送ったものだと、自分ながらに感心した。

衣類は買ったものはほとんどなく、高校を卒業してきたときに持ってきたものが多かった。

荷物を出そうとしていたときに彼女がやってきた。

一緒に掃除をしてくれた。切ない気持ちでやりきれない。

やはり私は彼女のことが大好きだった。

あと数日で数多くの思い出を残し、この地を旅立つことになる。

私は、もう過去はあまり振り返るまい、これからの自分の将来の目標に気持を向けよう、そう思った。

しかしそれはこの頃の私にとっては無理なことだった。

大学に入学したばかりの頃やサークルでの出来事、Nと過ごした日々、後輩達や彼女とのたくさんの思い出。

全てが押し寄せるように私の心を離さない。

振り返ってみるとなんと素晴らしい大学生活だっただろう。

東京での新しい生活に思いを馳せる余裕もないほどに、私の心は過去に縛られてしまっていた。