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専門学校の講師としての仕事が始まってから、私は初めて経済学を学んだ。

公務員試験は数多くの科目が必要だが、法律は大学時代に学んでいたものの、経済学に関してはほとんど素人状態だったので、これで人に教えるなんてありえないと思っていた。

最初はスタッフ本部というところに配属され、法律関係の試験問題を作ったり、校正の仕事をしたりしていたので、まだ時間的に余裕があった。この頃は17時30分には職場を離れて、家に帰れたと記憶している。

早く経済学の知識を身につけなければ、いざクラス担任になったら一人で教えなければならなくなる。

その当時は公務員試験向けの経済学の教材も多くなく、その専門学校では教科書として中谷巌の「入門マクロ経済学」を使っていた。法律の試験問題などを作りながら経済の教科書を読んでみたがさっぱり訳が分からない。

またミクロ経済学は倉沢資成の「入門価格理論」が使われていたが、入門なのにわけがわからない。なぜ本のタイトルが「価格理論」なのか理由もわからない。

これは相当勉強しないとまずいと思い、それから毎日仕事帰りに高円寺駅前のマクドナルドで経済学の勉強をする日々が続いた。3時間から4時間ほどもマックで粘っていたので、店員はさぞ迷惑していたことだろう(しかもコーヒーかココア1杯だけで)。

当初はマクロ経済学とミクロ経済学の違いもわからず、数学が苦手だった私はグラフや数式でモデル化された経済学が全くとっつきにくい代物に映った。

大学時代に経済思想の本を何冊か読んだことはあったが、数学を使って表現すること自体が、すでに現実離れしていると考えた私は、経済学におけるモデルの意味と価値が全くわかっていなかったのである。

公務員試験の経済学は基本的に経済原論といわれる「マクロ経済学」と「ミクロ経済学」だが、このころの私と同様、高校を卒業して専門学校に入学してきた学生たちは、この科目の習得にはなかなか難儀したことだろう。

無事に公務員試験に合格し、現在第一線で活躍している卒業生も、すでにその内容は忘れて、今経済学を継続的に勉強してる人間は皆無ではないかと思うし、今試験問題を解けといわれても解けないだろう。

試験に役立つ範囲で、点数を取るためだけに勉強することは必要かつ大切なことだが、そのような知識が教養となり、見識となっていくことでその本当の意味や価値は理解できるようになるものだ。

その意味で幅広く数多くの科目を公務員試験のために学ぶことは大きなきっかけになる思う。

ただ教える立場に立ってみても、効率よく試験で点を取るためのテクニックやスキルを教えざるをえない面があり、この「学問」と「試験勉強」のはざまで、私はいつも悩んでいたように思う。

本当はもっと奥が深いものなのだが、試験に出るのはこの面だけだから暗記で済ます。理由はよくわからないが、とりあえず憶える、など私の意識も専門学校の講師を継続しているうちに、点数を取るためのテクニカルな勉強法や試験に受かるためだけの暗記法に移っていってしまった。

経済学と格闘しているうちに1か月が過ぎて、12月になり、あるクラスの副担任として教室に入るように指示を受けた。副担任とはいえ学生の前に立って、場合によっては授業をやったり、様々な科目を教えなければならなくなった。

そのクラスは公務員試験のⅡ種中級試験の合格を目指すクラスで、教養科目はもちろん専門科目が授業に入っているクラスだったから、私にとってはかなり危険な配属だった。

1か月ほど経済の本をこねくり回していたが、結局よくわからずに学生たちの前に立つことになってしまったからである。

このころの学生たちには「ごめんなさい」と言うしかない。

とりあえず得意な法律に逃げて、経済学は担任の先生に全てお任せしようと決意した。
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