大学ではリクルートスーツに身を包んだ学生の姿を数多く見かけるようになった。

私の親友のNも就職に関する情報を集めて、活動を開始していた。

私はこのような大学の流れとは全く違う場所にいた。

最初から民間企業に就職するつもりは全くなく、就職活動をする気も皆無だった。この時期に就職情報誌やリクルートスーツは全く買うことも見ることもなかった。

私は5月の司法試験の短答式の準備をしており、より一層勉強時間を増やしていた。この年に最終合格することは難しいだろう。ただ一歩でも先に歩を進めておきたかった。

ただ大学内では、非常な好景気のためか学生にあせりはなく、みんな比較的ゆったりとしていたと思う。

私もそのような空気の中で、マイペースで生活していた。

ただ今でも思うのは、自分の進路や将来についてもっと別の観点からの選択肢も考えてみるべきだったということだ。

私は自分の進路についてはこうしたいという気持ちが強すぎて、他の情報に触れる機会を失っていたと思う。

若気の至りといわざるをえない。

外は春らしくなってきていた。まだサークル活動は続けていた。新入生が入ってくる時期だ。



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